樹座:ジュザ

ずいぶん昔になるけど、

高校生の頃だったか、
ふとこんな質問を親父ボクネンに
投げかけた事があります。
「ガジュマルを家に取りつかせられんの?
そしたら、家ってこわれるかね?」
するとボクネンは
「いや、大丈夫だと思うよ。むしろ、
ガジュマルは絶対に家を壊さないと思う。
いつか作ってみたいよな。」
そんなことを話しました。

ガジュマルの類いは、
その実を鳥やコウモリに食される事で、
種が運ばれ、糞の中に混じった
未消化の種が、岩塊や構造物の隙間、
家の屋根などに着生して、
発芽する。
(糞として散布されたものほど、
すくすく育つという)
なので、家に取りついて成長し
家を壊すとか、
他の木を絞め殺すみたいな、
厄介者のイメージもあります。

そんなガジュマルだけど、
たとえ、不意に
家が取りつかれたとしても
“絶対に家を壊さないと思う”と
いう新説は、
当時衝撃であると同時に、
“なるほど、きっとそうに違いない”と
いやに納得したのを覚えています。

後になって、知ったのですが、
アンコールワット遺跡に這う、
ガジュマル系の木の根っこが、
遺跡を壊すと言うよりも、
支えながら纏わりついていました。
やはり、木は優しく包む様に
細心の注意を払っているんでしょう。

あれから月日が経ち、
遂に自ら実験と実践する時が来ました。
AKARAの壁や柱には
ウスクガジュマルに
取りついていただきます。
初めからそのように構造計算し、
建物を設計しました。
現在造園担当の者が、
実際に鳥の糞から採取した種から
苗を育てています。

そのウスクガジュマルが取りつく
外壁や雨端の柱は、
根が張りやすい様に、
台座の様になっていて、
石垣の様な凹凸があり、
石灰岩のレリーフになっていて、
それ自体がオブジェにもなっています。

それをボクネンは
『樹座:ジュザ』と命名しました。

AKARAには大小いくつもの
樹座があります。
2階壁から木が生えている、
そのウスクガジュマルが育ち、
風にそよぐ姿を想像すると、
ワクワクがとまらなくなります。
鳥が集い木漏れ日は、
曲線の壁に見た事もない模様を
描く事でしょう。

でも、本当にそんな事が可能かは、
まだ誰にも判りません。
だからこそ、
AKARAがやるしかないでしょう。

誰もやった事のない立体造園
樹座。
お楽しみに。

ブロック塀に生えているガジュマル
根っこもすごい生命感です
(2009/4撮影)

沖縄によく見る風景
天然の樹座
(2008/10撮影)

ガジュマル・樹座イメージ探訪
宜野座にて
(2008/10撮影)

ガジュマル・樹座イメージ探訪
宜野座にて
(2008/10撮影)